合格率6%——コンカフェ求人に見る異常な人気
Yahoo!ニュースの報道によると、作家・橘玲氏が週刊SPA!誌上の連載「エロス資本論」で、コンセプトカフェ(コンカフェ)をめぐる注目すべき現象を取り上げている。新宿にある「日本一のコンカフェ」と称される店舗が新店舗のオープンにあたって行った採用では、公式LINEへの応募が400人以上、面接に進んだのが100人、最終合格者はわずか25人だったという。合格率はおよそ6%だ。
この数字が驚きを持って受け止められる理由は、その給与水準にある。東京都の最低賃金が1226円というなか、多くの有名コンカフェが提示する時給は1300円。最低時給水準とほぼ変わらない報酬であるにもかかわらず、これほどの応募が集まっている。高い報酬や売り上げノルマを前提とするキャバクラと比べれば、経済的なリターンの差は明らかだ。
「エロス資本」の相場が変わってきた
橘氏の連載が注目するのは、こうした現象が従来の「エロス資本の経済学」では説明しにくい点だ。イギリスの社会学者キャサリン・ハキムが2000年代初頭に提唱した「エロス資本」とは、若い女性の性的魅力が経済的価値を持つ「資本」になりうるという概念だ。かつて夜の飲食業界では、この資本を最大限マネタイズする場として、銀座のクラブや六本木のキャバクラが機能してきた。そこには明確な報酬の相場があり、高い時給は働く側の動機として十分に機能していた。
ところがコンカフェの急拡大はその構図とは異なる。かつてガールズバーと呼ばれていた業態が、法規制への対応や客層の多様化などを背景にコンカフェへと移行してきた流れも確認されている。橘氏は、現代の若い女性たちがこの「稼げない場所」に殺到する背景に、金銭報酬とは異なる「新しい合理性」があると指摘している。
業界で働く人・働きたい人へ
この報道が示す動向は、夜の飲食業界で働くことを検討している方にとって見逃せない視点を含んでいます。時給や売り上げといった経済的リターン以外の要素が、就労先を選ぶ動機として大きな比重を占めるようになっているとすれば、キャバクラやホストクラブを含む接待飲食業界全体にとっても、スタッフの採用・定着を考えるうえで参照すべき変化といえるでしょう。自身がどのような対価や環境を求めて働くのかを改めて整理することが、業態選びの第一歩になります。