事件の概要|「違法と知りながら」無許可でスナックを営業
Yahoo!ニュースの発表・報道によると、三重県津市において、37歳の男が風俗営業許可(都道府県公安委員会が発行する、接待を伴う飲食店の営業に必要な許可)を取得しないままスナックを経営していたとして、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)違反の疑いで逮捕されました。報道では、男が「違法と分かりながら営業していた」とされており、過失や不注意ではなく、意図的な無許可営業だった可能性が高いことが特徴的です。
風営法の許可制度|なぜ「許可」が必要なのか
キャバクラ・スナック・ホストクラブなど、お客様に対して「接待」を行う飲食店は、風営法上の「風俗営業1号営業」に該当します。この区分で営業するには、店舗所在地を管轄する都道府県の公安委員会に申請し、正式な許可証を取得することが法律で義務付けられています。
許可申請には、店舗の図面・照明・音響設備の仕様、申請者の身元確認書類など、多くの書類が必要で、審査には一般的に数週間から数か月を要します。また、営業できる時間帯(深夜0時まで、一部地域は1時まで)や、18歳未満の従業員・客の制限など、許可取得後も守るべきルールが多数存在します。
無許可のまま営業した場合、風営法第49条により、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。今回の逮捕はまさにこの規定に基づくものと考えられます。
現場で働く人への影響|「知らなかった」では守られない
今回の事件が業界関係者にとって重要なのは、摘発されたのが「経営者」だけという点です。しかし、無許可店舗で働くキャストやスタッフも、決してリスクと無縁ではありません。捜査が入った場合、従業員も事情聴取の対象となることがあり、場合によっては業務上の関与の程度によって責任を問われるケースもゼロではありません。
新しいお店で働き始める際、または働くことを検討している段階で、そのお店が適切な許可を取得しているかどうかを確認することは、自分自身を守るうえで非常に重要な行動です。許可証は店舗内の見やすい場所への掲示が義務付けられているため、実際に確認することができます。
また、ガールズバーやコンセプトバーなど、「接待なし」を前提に営業している店舗でも、実態として接待行為が常態化していれば、無許可営業とみなされるリスクがあります。業態のグレーゾーンを「大丈夫だろう」と楽観的に捉えることは、経営者にとっても従業員にとっても危険です。
ナイトワーク業界で長く安心して働き続けるためには、在籍するお店が法令を遵守しているかどうかを、自分の目で確かめる習慣を持つことがコンプライアンス(法令遵守)の第一歩です。少しでも疑問を感じた場合は、行政窓口や業界に詳しい専門家への相談も選択肢に入れてください。